上から読んでも代償、下から読んでも?
理性と罪悪感のない世界の住人となったオットと浮気相手アユラは、
その瞬間から、不貞行為にのめりこんでいきました。
オットは仕事からの帰宅後に食事、シャワーを終えると、
10時頃にアユラの部屋へ行き、12時に帰る生活を繰り返していました。
始めは一緒に食事をしてそのままアユラの部屋へ行っていたようですが、
毎晩一緒に職場をでてそのまま外食では、人目につく危険もあり、
「10時ー12時パターン」に落ち着いたと、聞きました。
アユラの言葉をかりれば「毎晩2時間だけ頂戴しておりました。」。
ちょうどその頃、母が言ってたのを思い出しました。
「エイスケさん、ちゃんとご飯食べてはるの?全然お米減らへんみたいよ。」
実家の母はふた月に一度、オットにお米を持たせてくれていました。
しかし、夏ごろからは「まだあります。」というばかりで、かれこれ4が月も持ち帰ってないと言う。オットに確認すると、そんなことない、普通に食べてる、とのことで、私もそれ以上は言いませんでした。
単身赴任を始めた1年は、目に見えて痩せたので、
毎週常備食となるものを持たせたり、月に一度はオットのところにでかけ
冷凍室に詰められるだけの食料を買い込んで、
1週間分のメニューと手順を紙に書いて、冷蔵庫に貼ったりもしました。
二年目からは、慣れてきて、自分で買い物したり、
簡単な調理にも挑戦するようになっていました。
そしてオットが不倫を始めた三年目の夏。
オットはまず私に「社宅の下の階に入った●●さんが結構神経質な人だから、もう家族が泊まることはできないよ。」と言いました。浮気を疑う前でしたが、拒まれていることを自覚したくなかったから何も言いませんでした。
同じ頃に、知り合いの紹介で、県会議員の事務所で働き始めた私は、急に忙しくなり土日出勤もしばしば。結局、それ以降は一度もオットの単身赴任先へ行くことはありませんでした。
よく、「オットの浮気は妻にも原因がある」、「放っておいた妻にも責任がある。」と言う人もいるようですが、だとしたら一体結婚って何なのでしょうか?これでは手綱をゆるめた瞬間にオットは浮気に走って当たり前とでも。だからと言ってしっかり見張っていれば、「束縛するから浮気したくなる」とかいうのでしょう?
二人をつなぐべきものは手綱ではなく、絆。結局オットの心次第なのです。
家族のために仕事をしてくれているオットに感謝とねぎらいを…、離れていても気遣いとやさしさを忘れず…。
全部正解なのでしょうが、それを怠った代償が、配偶者からの裏切りだと言うのでしょうか。
オットの浮気は、妻に落ち度があるのではなく、夫婦の信頼関係がうまく築けていないことが大きくかかわるのではないかと思います。
本当によい関係を築けていれば、短い電話ででも、気遣いの気持ちは十分伝えられます。
お互いの大切さも実感しあえます。
でも、そんな信頼関係のある夫婦にも、オットの浮気は怒りうる。
それは、妻の責任とか、夫婦関係の問題、とかではなく、
結局はオットがそんな人間だからということです。
いろんな言い訳をしても、一線を越える前には
必ずいくつかの「ブレーキをかけるべきポイント」があります。
自制心のある人はそこで止まれるし、
妻や家族へ対する気持ちのある人もそこで踏みとどまることができる。
浮気は、それら「良心のポイント」を素通りした人のみが行きつく行為。
いきいき、代償
帰宅しても暴走スイッチはOFFになりませんでした。