ヴィの通販専門店はこちら、最新トレンドや注目アイテムをご紹介
ヴィは生活必需品
スタッフ
作詞・作曲:メル・ブルックス
脚本:メル・ブルックス
トーマス・ミーハン
演出・上演台本:福田 雄一
キャスト
フレデリック:小栗 旬
インガ:瀧本 美織
ケンプ警部:ムロツヨシ
アイゴール:賀来 賢人
ブリュッハー:保坂 知寿
モンスター:吉田 メタル
ヴィクター:宮川 浩
エリザベス:瀬奈 じゅん
※公演中なので観ていない人は読まないでください。
あらすじ
主人公のフレデリック(小栗旬)は、かの有名なモンスターの生みの親・フランケンシュタイン博士(宮川浩)の孫です。
“おじいちゃんのような狂人にはなるまい“と心に決め、大学の教授として堅実に働いていました。
フランケンシュタイン博士が亡くなった報せにより、葬儀&財産分与の手続きに祖父の住んでいた小さな村へと出発するフレデリック。
そこで彼を待ち受けていたのは、助手志望のアイゴール(賀来賢人)と、インガ(瀧本美織)でした。
不思議な舘に魅入られたフレデリックは、脈々と受け次がれてきた狂人の血が騒ぎ始め・・・。
おっと、ストーリーのみを抜粋すると後数行で結末に達してしまうので、ここで止めておきますね。
この物語は“フランケンシュタイン”のパロディ版。
過去に映画やブロードウェイミュージカルとして上演された作品です。
感想
何から伝えればいいのか、わからないまま時は流れて・・・。
なぜか東京ラブストーリー調に書き出してしまいましたが、いやはや、ちょっと困ってるんですよ。
まずは感想に見出しをつけてみます。
「大人の悪ふざけ舞台」
「豪華キャストによる大学サークルミュージカル」
といったところでしょうか。
学生演劇を多数観た時期があったのですが、ノリと空気感が酷似です。
「本当にブロードウェイミュージカル!?」と言いたくなるほど、和製化オリジナル。
脱線が本流で、ずっとわちゃわちゃしています。
コメディというより、ギャグですね。
ワイドショーネタ、時事ネタも満載の福田雄一氏ワールドなので、氏のファンであれば楽しめること請け合いです。
「ミュージカルって、なんだかお高そう・・・」
という、垣根を取っ払うことのできる、気軽さと親しみ易さが魅力です。
また、各種方面から集めた役者が適材適所で、キャスティングの妙が功を奏していました。
知名度と力量を兼ね備えた主演、才気溢れる若手俳優、華の宝塚、実力の四季、ムロツヨシサン。
必要な箇所を埋めることができる役者を当てはめているため、舞台の隅々まで満たされている安定感がありました。
さて、ここからは至極個人的な感想です。
私は偏屈で厄介な観客です。
感動作品と聞くと「ただでは泣くもんか」、コメディ作品と聞くと「ただでは笑うもんか」と構える万年反抗期。
この舞台も、「本当に面白いの~?」と、疑心暗鬼で観に行きました。
いやあ、正直言いまして1幕はキツかったです。
ストーリーが足踏み状態で一向に進まないんですよ。
脚本の本筋として笑わせる部分が少なく、脱線話で笑いを取る手法に違和感を覚えたのも加味し、90分のはずが、2時間ほどに感じてしまいました。
例えるならば、学生演劇で先生をネタにした芝居を観せられ、学生たちがドッとウケる中、ポツンと取り残された感覚です。
無類の下ネタ好きなはずなのに、今ひとつ乗り切れない下ネタだったのも残念でした。
2幕は世界観に馴染み出したのと、スローモーではありますが展開がある為、クスッと笑う部分もありましたよ。
終わってみると、意外に楽しんでいた自分がいました。
アイゴールのモノマネを習得しつつある、私です「ご主人様」。
これはあくまで、個人的な感想です。
劇場は終始笑いに包まれ、大盛り上がりでした。
楽しませる作品と演者がいて、楽しむ観客がいる。
大成功じゃないでしょうか。
キャスト感想
コールアンドレスポンスで登場する、フランケンシュタイン博士の孫を演じたのは小栗旬さんです。
出ずっぱりとはこのこと。
ずっと歌って踊ってツッコミを入れなくてはいけない、大役です。
並大抵の舞台人ではクリアできませんよ。
想像を絶する体力と知力を要することでしょう。
しかも、ともすれば、主役でありながらアクの強いキャラたちに呑まれてしまうガマン役ですが、そこは大丈夫。
どこに佇んでいても、“小栗旬カラー”を纏っていました。
中心を取って存在することができる、選ばれし役者さんのひとりです。
ミュージカルは初挑戦ということで、歌うことに全神経を傾ける真面目な一面が垣間見えました。
もっと歌をセリフに転じれば更に良くなると思います。
私は小栗さんを舞台で観るのは初めてです。
映像から受けていたイメージは、
“食べ物を美味しそうに食べられる生命力のある人”
“コミュニケーション能力の高い、悪くいえば群れる人”だったのですが、直に受ける印象は独立感があり非常にクールなものでした。
寂しそうといってもいいかもしれません。
だからなんだ、という話でした。はい。
助手のインガを演じたのは瀧本美織さんです。
愛すべきおバカさんにピッタリハマっていましたよ。
舌ったらずな口調といい、関節が伸びた動きといい、お人形さんのようにキュート。
「ハイッ!」という能天気な返事が大好きになりました。
下ネタの弾け方はヤケクソに近いですが、従来持つ幼さゆえのセクシーさもありましたね。
朝ドラヒロインのヨーデルは、聞き応え十分です。
ケンプ警部、その他諸々を演じたのはムロツヨシさんです。
演出の意図でしょうが、ムロツヨシさんはムロツヨシ役でした。
「あれ?ムロツヨシさんのコンサート?」と感じる場面もしばしば。
求められた役目を忠実に果たしているとわかりつつ、ムロツヨシ役ではないムロツヨシさんが観たかったです。
怪しい道案内役アイゴールを演じたのは賀来賢人さんです。
素晴らしかったです、驚きました!
ふざけた道化を、天下のイケメン賀来さんが演じ切るとは思いもしませんでした。
と言いますか、しばらく賀来さんだと気付きませんでしたよ。
表面的ではない的確なキャラクター作りは、舞台の質を高める効果がありましたね。
一筋縄ではいかない、野心的な視線といったらどうでしょう。
脱線したセリフも、賀来さんはアイゴールの言葉として伝わりましたよ。
今後が楽しみな俳優さんですね。
「わたし、わたし、わたし」自己主張の塊・エリザベスを演じたのは瀬奈じゅんさんです。
私がこの舞台を観に行ったのは、瀬奈さんが出演していたからです。
舞台オーラがさすが、宝塚出身!
登場するだけでキラキラと光輝くのは、衣装のせいばかりではありません。
飛び抜けてパッとしています。
オイシイもうけ役で、ピンスポットの中気持ち良さ気に歌いあげるエリザベスは素敵でしたよ。
お色気シーンが多数の割に色気がないのはワザと・・・ではないんでしょうね。
線の硬さと忙しない動きが抜け、しなやかになるといいのにな、と思いながら観ていました。
余談ですが、カーテンコールで瀧本さんを見守る優しい眼差しの瀬奈さんに、“包容力”の残り香を感じました。
最後に
自身が好む舞台だったかはさておき、幕間や終演後、観客の楽しそうな様子をみると嬉しくなりました。
千秋楽には更にヒートアップして、大変なことになりそうですね。
Fin
2,500円
Amazon
|
4,104円
Amazon
|
Amazon
|