知ってたか? バレエは堕天使の象徴なんだぜ
たそがれたかこ10巻、読了。
ロックな終わり方だったなー。
入江喜和さんのマンガは週刊モーニングの「のんちゃんのり弁」を読んで以来だった。
「のんちゃんのり弁」の描写のリアルさがすきだった。下町、登場人物、セリフ…。
のんちゃんの主人公小巻は美人でちゃきちゃきしていて、言いたいことはパッと口にする方だった。
でもたかこはそうじゃない。
高校時代も若い頃も、ずっとすきなひとにすきと言えないでいた。
そのたかこがはじめて告白(離婚した夫は向こうからすきと言われて、おされて結婚したようだ)したのは、中2の男の子。
自分でもキモイよね、と自分の気持ちをずっと抑えていたたかこが、ついに「愛してんの」と口走ってしまうのは、ふたりがファンのナスティインコのライブでだった。もともとはナスティインコのボーカル谷在家光一くんに似ている、と思ったことからはじまった恋だった。
言えば自分も相手も傷つくとわかっていても止められない気持ち。後悔。浮上するまでの膿んでジュクジュクしたような痛み。
小巻とは全然性格がちがうのに、それでもまるで自分が暴走しているような気持ちになっていたけれど、
性格が似たような感じのたかこには、もやは自分のことしてしか読めない。
小さなことでも傷ついたり、相手を傷つけたのではないかとへこんだり、びくびくおろおろしているたかこが愛おしい気持ち。
そんなたかこのやけくそ気味の、でもカッコいいこのセリフ。
天才バカボンの主題歌のサビである。
告白したあと、当然相手に拒絶されて、拒絶より、相手に嫌悪の気持ちを抱かせたことに対する自己嫌悪から、ひとりやけ酒のつもりだったところへ、美馬さんと遭遇。彼は食事処Vivaの店主で、たかこが変わったきっかけにもなったひとだった。
自分よりずっと若い人に思いを伝えて嫌悪感を抱かせてしまった、と告白して、さいごに
「これでいいのだ!」と言い放ったたかことびっくり顔の美馬さんは1巻のふたりがひっくり返ったようだ。
1巻の出会いのシーン。
この時もひとり酒(野外ではどうなのでもと思うが、家には口うるさくカンに障ることばっかりいう母親がいるので宅飲みでは救われないのだろう)だったが、美馬さんはたかこがたかこの歌っていたバカボンの歌をいい歌だよね、と言って、じつにフランクに話しかける。たかこは疑い深く、美馬さんを避けるような態度だったが、
その出会いから少しして、美馬さんの店を訪ねる。
美馬さんはたかこがなにをしても肯定的で、ネガティブで依頼心の強い(でも可愛いところもある)母親の毒をうすめてくれるような存在でもある。
?
たかこの娘一花。
中学のダンス部の先輩たちのいじめを目の当たりにして、ひどい人間不信、制服恐怖に陥り、同時にいじめられていた先輩がふとっていたことから、自分もふとっているからいじめられるのではないか…と思ったことがきっかけで拒食症になりやせほそり、登校拒否にもなってしまう。
10巻では高校生になって友達ができて、興味のあることをみつけたところまでだったが、あとがきのこの絵は、その後の一花だと思われる。ふっくらして笑顔満開になっている。すきなことをみつけたのだろうか。ずっと一花を見守ってきた読者のこちらもうれしい。
「たそがれたかこ」といろいろ重なるところがある「昭和の男」。
この男、ダンこと二ノ宮貴久のヴィジュアルは若き日の美馬さんんだし、バレエダンサーだったダンとダンス部だった一花、
年下の男性に淡い思いをいだいて、そんな自分の気持ちを否定したり傷ついたり、乱されたりする富子さんが、
オーミという中2の男の子に惹かれる自分をキモイと思って傷つけるたかこに重なる。
ふたりの別れは、富子さんとその夫で、「昭和の男」の主人公箕浦茂雄をダンがそれぞれハグして、感謝を伝える場面だ。
富子さんのことはダンにとっては、優しいお母さん、でしかなかったんだろうなあと思う。実母はバレエ教室を主宰し、離婚後女手ひとつでダンを育て、ダンには厳しい。
富子さんはダンには甘く、おいしいごはんをつくって、どこまでも気のいいおばちゃんでいるから安心感があったのだろうか。こんなひとの子どもに生まれたかったというくらいの気持ち
はあったかもしれない。
たかこは中2のオーミに思いっきり手を振り払われ、嫌悪の表情を垣間見てしばらく立ち直れなかったが、
痛みや別れがたかこに喜びも出会いもつれてきたのではないか。
最後のページのたかこは、ナスティインコファンのあたらしい友達に会いに行くところだが、昔読んだマンガにあった、
傷つくことによって磨かれるイメージを思いだした。
昔の自分がふんばってくれていまの自分がある、いまここにいる、と過去の自分たちに感謝する場面が印象的だった。
た・かこは多・過去なのかなーと思った。
たかこはマンガのなかのひとではなく、マンガを抜け出て自分の心の一部になったような気がしている。
ではでは?
バレエを楽しむ為に
こんにちは!
山本あずさです
まだまだ暑さが厳しいですね
そんな日曜日恒例息子ネタは、次男かんすけ6歳。
来年から小学生なんですが、なかなか滑舌が悪くって…。
未だに舌が上手に使えなくて赤ちゃんみたいな喋り方です。
それが面白かったり、可愛かったりするんですが
先日、普段あまりやらせないゲームをしていたときのこと
弟 『あーもぉ!ムカクチュわぁぁぁぁぁ』
…は??
?
もしやそれは
?
ム・カ・ツ・クでは??
?
そして、しばらくすると
弟 『もぉぉぉぉ!だからイラクチュねん!!』
?
えー…それは
イ・ラ・ツ・クですよね。。
?
そんな言葉…
言えないなら言うなよっっ
と思いながらも指摘せずに笑っている母なのです
今日も笑っていただきありがとうございます。